よるのとびらをひらく方法

兄(Dancer) + 妹(Designer) のブログです。

わたしのはじめてのハモニカ

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私が初めてハモニカ横丁に足を踏み入れた日。

それは忘れもしない12年前。

その頃京都にいた私は所用あって兄の家に泊まることになったのです。

兄から指示されたのはひとつだけ。

吉祥寺の駅を出たら不二家がある、

そこを曲がったところに赤い看板のハモニカキッチンというカフェがあるから

そこで待っていろ。と。

初めて降り立った吉祥寺、駅を出たら、たぶん11時頃だったと思うのだけど

とても東京だと思えないほどとにかく真っ暗で、

スケボーをやってる人たちがいて、そのスケボーの音と、

その先に少し見えた灯り。

怖々と近づくとその灯りの下に確かにハモニカキッチンとあって。

とにかくよく分からなかった私は看板のあった右側のお店の窓側の席に座り、

カフェラテを頼み、わー東京のカフェにいるんだと思いながら

ドキドキしてて。


ガラスの向こう側、通りの反対側にもお店があることに気づいたのは

ちょうど注文したカフェラテが来た頃だったか。。

しかもその反対側のお店に兄がいることに気づき、

お店を間違ってしまった!と焦ること数分。


なんてことはない、

その通りを挟んだお店が実は同じお店で、

兄も行ったり来たりしてて、

っていうのはその後ハモニカ横丁という不思議街に通うことで徐々に明らかになるのです。


なんだ声かけてよ、

と言われたけどその当時はそんなに喋るでもなかった兄には遠慮の方が先に立ち、

無駄に緊張してた私は(今思えば本当に無駄な緊張で、)

ハモニカの横山さんとわたなべさんというほんとにすてきなスタッフにあたたかく迎えられ

ようやくリラックスできたのでした。


あの一夜、今思えばなんてことはないひとコマです。

でもストロボ写真の様に、切り取られた絵画の様に、

あの夜の一場面が私の中に今も変わらずあるのです。


12年も前なのに、あのときの、吉祥寺の駅前のさびれた感じと、

あたたかな光をまとったハモニカキッチン、

やさしい笑顔と言葉を、今もありありと思い出せるのです。