はしご

遠い昔

小さな遊園地で

灯台のような筒状の建物の中に

はしごがずっと続いているところを

ひたすらのぼったことを思い出す

真っ暗なのだけど

見上げると小さな

ハンカチくらいの大きさの

小さな青空が見えていた

こわくてこわくて

しょうがなかったのだけど

小さな青空をたよりに

ひたすらのぼったことを思い出す

きっと小さな塔だったのだろう

今見たら笑っちゃうような...

でもあのときの暗闇は永遠に感じた

のぼった先の

たしかに見たはずの青空のことは思い出せない

でも

ひたすら上にのぼっていく

あのときの情景は今も時々思い出すんだ