よるのとびらをひらく方法

兄(Dancer) + 妹(Designer) のブログです。

21日目

あひるは歌う
けれどそれは実際のところ
単なる会話だった
こんな具合
「じゃあ何かい?
例え全く似合ってなくても
服屋の店員さんは必ず
お客様よくお似合いですよ
と言わなきゃならないのかい」
「そらそうさ
時には
その白は日焼けたお肌によく映えますよ
とか
うわあ
着こなしますねえ
とか
何だって言わなきゃならないのさ」
「へぇ〜
それが仕事ってもんかい?」
「そうさ
それが仕事ってもんさ」
「でもあれだろ
仕事ってのは誰かをしあわせにしたり
自分をしあわせにするものって言うじゃないか
どれだけ多くの人をしあわせにするか
それが仕事のカチだって」
「まあな
例えばオイラにタートルネックが似合うと思うかい?」
アヒルは想像してみた
そしてクァッと笑った
「アヒルなのにタートルかい?

第一キミの首を全部覆えるタートルネックなんて
クァッ
あるわけないじゃないか」
「しかもウール100%」
「クァッ!
アヒルにウール!」
「ほらな
そんなときでも
おやおや
そんなにタートルネックが似合う方は初めて見ました
なんてことを言うんだぜ
僕はしあわせかい?」